テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 その一度で彼女は懐妊し、王女を死産した。挙げ句、我が子を失った衝撃のあまり、狂人となり果ててしまったのだ。
 償って償い切れるものではない。それだけの罪を自分は犯した。愛情の片鱗もなく一夜を共にしたせいで、温嬪は彼の子を身籠もったのだ。気持ちがないのなら、やはり関係を持つべきではなかった。
 もし王の側室になどならなければ、温嬪は相応の両班の男に嫁ぎ、今頃は母となり、幸せな生涯を送っていただろう。
 これからの生涯を温嬪がせめて何不自由なく過ごせるように計らうくらいしか、自分にできる償いは何もない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ