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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 仁嬪も憂い顔だ。和寿翁主が病がちなのには普段から心を痛めていた。
「どれ、おいで」
 ユンは仁嬪から和寿翁主を抱き取り、頬ずりした。
「アバママ、ようこちょおいでなしゃいませ」
 ませた口ぶりで仁嬪の口調を真似るのに、ユンは仁嬪と顔を見合わせて笑った。
 やがて乳母が和寿翁主を連れにきて、上の王女たちもそれぞれ女官や尚宮に連れられて去っていく。
「そなたも変わりはなかったか、仁嬪」
 ここを訪ねるのは数日ぶりだ。仁嬪は頷いた。
「お陰さまで元気に過ごしております」

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