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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 ユンの脳裏に、迎えたばかりの若い妻の顔が浮かんだ。求めるものは、いつでも与えられず、大切なものはいつも自分の手をすり抜けて、どこかへ行ってしまう。
「お茶でもお淹れしましょう。殿下のお好きな香草茶が実家から届きましたの」
「それは愉しみだ」
 ユンは仁嬪と並んで彼女の住まいへと入っていった。

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