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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 放っておけばいつまでも続きそうな長口上に、ユンは内心苦笑する。
「わっ、私めは春花、いえ、中殿さまの父でございまして」
「義父上、一度、儀礼的なご挨拶は宮殿でしておりますが、こうして身近にお逢いするのは初めてゆえ、まずはご挨拶させて下さい」
 ユンは上座から男―春花の父許修得の下座に移動し、拝礼を行った。
「おっ、そんな、なりません、なりませんぞ。殿下、殿下が臣下にそのような」
 気の毒に、修得は禿げ上がった額に汗を滲ませ、今にも卒倒せんばかりの狼狽え様だ。

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