身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
「これは―針茉莉(はつまつり)だわ」
あまり感情を露わにしない春花には珍しく歓声を上げて、花に近寄っていく。その姿は屈託なく、歳相応の若い娘らしい。
春花は熱心に花に見入っている。垂れ下がった枝先に小さなうす青紫の小花がたくさんついている愛らしい花だ。
「この花はうちの庭にもあります」
ユンに話しかけているのか、可愛らしい声で嬉しげに言っている。
春花が振り向いた。その面にユンはまさしく想い人の面影を見た。彼がかつて片時も離さないほど寵愛し、亡くなってからは恋い焦がれて忘れられない永遠の恋人がそこにいる。
あまり感情を露わにしない春花には珍しく歓声を上げて、花に近寄っていく。その姿は屈託なく、歳相応の若い娘らしい。
春花は熱心に花に見入っている。垂れ下がった枝先に小さなうす青紫の小花がたくさんついている愛らしい花だ。
「この花はうちの庭にもあります」
ユンに話しかけているのか、可愛らしい声で嬉しげに言っている。
春花が振り向いた。その面にユンはまさしく想い人の面影を見た。彼がかつて片時も離さないほど寵愛し、亡くなってからは恋い焦がれて忘れられない永遠の恋人がそこにいる。