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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 十日余りが過ぎた。七月も下旬となり、朝からねっとりとした大気が肌に纏いつくようで、じっとしていても不快な汗が滲んでくる。止むことのない蝉の声がなお暑さを助長しているような真夏の昼下がりだった。
 だが、国王の日々の暮らしは変わらない。毎朝、執務室には山のような上奏文が届けられてくる。それらは地方からのものだったり、朝廷の重臣からだったりする。それらに逐一、眼を通し、それぞれに対して適切な処置を取る。
 その日もユンはまだ半ば近く残っている書状を読みながら、溜息をついた。

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