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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

「私は常にこの国のゆく末を第一に考えております。その私に何故、そのようなことを?」
「中殿はまだ若い。嫁いでひと月も経たぬゆえ、私自身が中殿が宮廷での暮らしに慣れるまでは待つと申したのです。ですから、中殿をそのことで責めないでやっては頂けませんか」
 〝そのこと〟というのが国王夫妻の閨のこと、有り体にいえば、いまだに王と王妃が褥を共にしてはいないことを指すというのは暗黙の了解事項だ。

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