身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
ユンが半ば自棄気味に言うと、春花は微笑んだ。
「きっと、その方も歓ばれていると思います」
「歓んでいる?」
「はい。亡くなった人を憶えているのも忘れるのも、生きている者にはどちらも辛いことです。ただ、憶えているということは、今もその人を大切に―その人と一緒に過ごした時間を尊いものだと思っている証です。きっと亡くなられたその方も旦那さまがいまだにその方との想い出を懐かしく思い起こされていると知れば、歓ばれるでしょう」
到底、わずか十七年しか生きていない少女の言葉とは思えないものだった。流石に成均館の教師を父に持ち、自身も寺に入って学問をしたいと望むだけはある娘だ。
「きっと、その方も歓ばれていると思います」
「歓んでいる?」
「はい。亡くなった人を憶えているのも忘れるのも、生きている者にはどちらも辛いことです。ただ、憶えているということは、今もその人を大切に―その人と一緒に過ごした時間を尊いものだと思っている証です。きっと亡くなられたその方も旦那さまがいまだにその方との想い出を懐かしく思い起こされていると知れば、歓ばれるでしょう」
到底、わずか十七年しか生きていない少女の言葉とは思えないものだった。流石に成均館の教師を父に持ち、自身も寺に入って学問をしたいと望むだけはある娘だ。