身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
「昔、もう大昔になるが、この揚げパンを共に食べた者がいた。今のように、並んで一緒に揚げパンを食べた。その者は揚げパンが大好物で、見ている私が呆れるくらい美味しそうに食べていたよ。丁度、今のそなたのように」
幾ら何でも春花の前で泣くのだけは避けたい。ユンは涙を眼裏で乾かした。何か感じるものがあったのか、春花はしばらく後、こんなことを言った。
「その方とご一緒に揚げパンを食べたことは、旦那さまにとっては本当に大切な想い出なのですね」
「その者が亡くなって、もう随分と年月が経った。私は、いまだに女々しく想い出ばかりに浸って生きている。情けないことだ」
幾ら何でも春花の前で泣くのだけは避けたい。ユンは涙を眼裏で乾かした。何か感じるものがあったのか、春花はしばらく後、こんなことを言った。
「その方とご一緒に揚げパンを食べたことは、旦那さまにとっては本当に大切な想い出なのですね」
「その者が亡くなって、もう随分と年月が経った。私は、いまだに女々しく想い出ばかりに浸って生きている。情けないことだ」