身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第25章 第二部 【身代わりの王妃】 想いのゆくえ
「これは?」
「町の筆屋で買い求めた筆です。ずっと前に買っていたのですが、なかなかお渡しする機会がなくて、差し上げられないままになっていました」
今日、その筆屋の前を通り掛かったので思い出したのだと言った。
「だが、筆はもう貰ったのではなかったか」
ユンは昼間に訪れた隠れ家の室内を思い出していた。きちんと掃除され、片付けられた室内の片隅、文机には真新しい硯、墨、筆に料紙とすべてが揃えられていたのだ。
あれは間違いなく春花が半月前、町の筆屋で買い求めたり貰ったものだ。
「町の筆屋で買い求めた筆です。ずっと前に買っていたのですが、なかなかお渡しする機会がなくて、差し上げられないままになっていました」
今日、その筆屋の前を通り掛かったので思い出したのだと言った。
「だが、筆はもう貰ったのではなかったか」
ユンは昼間に訪れた隠れ家の室内を思い出していた。きちんと掃除され、片付けられた室内の片隅、文机には真新しい硯、墨、筆に料紙とすべてが揃えられていたのだ。
あれは間違いなく春花が半月前、町の筆屋で買い求めたり貰ったものだ。