テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

「昼間も申し上げたように、私は私なのです。殿下の所有物ではありません。なのに、殿下は私の行動や気持ちまでをも支配なさろうとする、それは間違っていると思うのです」
「そなたは私の妻だ。妻は良人のものではないのか」
「違います。たとえ妻でも、一人の人間です。妻である前に、個人の意思や自由が優先されるべきです」
「それは父御の教えか」
「父とは関係ありません。私が自分の頭で考えて、そのような結論に至りました。それに、私は殿下の妻ではないのです。婚礼の夜にお願いしましたように、いずれはここを出ていく身なのですから、立場上は王妃と呼ばれはしていても、自分が殿下の妻だとも中殿だとも思ったことありません」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ