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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

「屋敷を出てきたの。―良人と折り合いが悪くて、もう一緒にいたくないと思ったから。行く当ては何とかなると思う」
 光王が肩を竦めた。
「へえ、あんたみたいな別嬪をかみさんにできるなんて、幸せな男だねぇ。それにしても、女房ににげられるなんて、その旦那も情けねえな」
 王が聞けば引っ繰り返って怒るだろう科白をいけしゃあしゃあと言っている。
「行くとこがないんなら、俺の家にでも来たらって言おうと思ったんだけど。それなら余計なお世話だな。マ、俺はあいつらよりはマシだけど、あんたみたいな美人が来たら、ちょっと手を出すなっていうのは難しいかもしれないし。行くとこあるなら、俺といるより安全だな」

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