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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

―貸してごらん。
 手ずから簪を挿してくれた。初夜の床で王を拒み、泣いた春花の髪を宥めるように撫でてくれた優しい手の感触や、涙をぬぐってくれた指の温もりが懐かしい。
―これからはそなたの意に背くようなことはしないと約束しよう。
 真摯な声音や笑顔が浮かんでは消えていく。
 彼女は左手に填っている翡翠の指輪を眺めた。深みのある黄緑色が美しく心を癒してくれるようだ。しかし、この指輪は王が贈ってくれたもので、彼もまた同じものをしているはずだ。

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