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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 その一方で、時折、烈しいまなざしでにらみ付けてきたり、昨夜のように理由もなく襲いかかってくる王は怖いし、大嫌いだ。
 でも、普段は嫌いだとも言えないのだから、やはり、好きなのだろうか。優しいときの王は異性に対するものではないけれど、多分、好きなのだろうと思う。
 それだけではいけないのだろうか。何となく〝好き〟で、一緒にいるだけで夫婦とはいえないのだろうか。女は妻になれば、皆、昨夜のようなことをして、辱めに耐えなければならないのか。
 王に対する春花の気持ちは自分でも掴めないほど、複雑で茫漠としたものだった。

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