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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 突如として、先刻、ここに来る前に遭遇した酔漢たちの言葉が耳奥でこだました。〝蓮っ葉女、尻軽女〟などと聞くに耐えないような侮蔑の言葉を荒々しく投げつけられたのだ。あんな侮辱を受けたのは生まれて初めてだ。
 身持ちの悪い娘だと言われたことは予想外の衝撃だった。
―それもこれもすべて、殿下のせいだ。
 約束を守ってくれると信じていたのに。ずっと穏やかな日々が続いてゆくと思っていたのに。もしかしたら、自分が考えていたよう〝その人の側にいられるだけで幸せと思えるような〟関係が築けるかもと思っていたのだが、所詮は甘い考えだったのだろう。

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