テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 若い頃から何度となく訪れた町の隠れ家の前に佇み、ユンは深い息を吐いた。これから先、自分が春花をどうするつもりなのか自分でも判らない。判っているのはただ、自分が最早、あの少女を手放せないという一つの事実だけだ。 王妃失踪という前代未聞の不祥事については厳しい戒厳令が敷かれた。
―中殿さまはご不例につき、中宮殿で療養中。
 と、公に発表された。
 春花がいなくなったと露見したと同時に、ひそかに大がかりな捜索が行われた。とはいえ、隠密裡に捜索を行うため、やはり思い切った行動はできない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ