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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 これが若い女官であれば、
―甘えるな。
 と一喝したいところではあるが、流石に中殿さまを叱りつけるわけにはいかない。なので、やんわりとした言葉で何とか中殿の心が王の方に靡くようにと説得を続けているのだけれど、幼い割に頑固なこの少女はなかなか言うことをきいてくれない。
 とにかく、夕刻まではそっとして十分に休んでおいて頂かなくては。
 金尚宮はそう思いながら、王妃の居間を出て廊下に待機した。
―また、今宵も殿下のお相手を務められるのだから。

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