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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 これは針茉莉ね。春花は微笑み、咲き乱れる花に向かって手を伸ばした。すると、不思議なことに、誰かの大きくて温かな手のひらが春花の小さな手を握りしめてくれた。
 そのお陰で、それまで死人のように冷たかった手が俄に温もりを取り戻していく。その人は自らの生命を春花に注ぎ込むかのように、しっかりと彼女の手を握り返す。

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