身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「それなら、そなたは相手が国王ならば良いというのか! 相手が王なら、たとえ好きでなくとも、顔を見たことさえない男でも、素直に身を任せ抱かれることができるんだ!」
「お願いよ、困らせないで。判ってちょうだい」
明姫は立ち上がった。これ以上、彼と話しても意味はなかった。ただ互いに傷つけ合うだけだ。人生で初めて好きになった男、恐らく生涯で一度きりの恋をこんな形で終わらせたくはなかった。
「行くな」
背を向けた明姫に、ユンの声が飛んでくる。明姫は後ろは振り向かずに消え入るような声で言った。
「お願いよ、困らせないで。判ってちょうだい」
明姫は立ち上がった。これ以上、彼と話しても意味はなかった。ただ互いに傷つけ合うだけだ。人生で初めて好きになった男、恐らく生涯で一度きりの恋をこんな形で終わらせたくはなかった。
「行くな」
背を向けた明姫に、ユンの声が飛んでくる。明姫は後ろは振り向かずに消え入るような声で言った。