テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 十七年前、温嬪との間に儲けた第一王女もたった一度の契りで授かった生命であった。そのときに生まれた王女と同じ歳の妻が身籠もった。
 娘と同じ歳の妻が子を産むと考えると、少し照れ恥ずかしい。が、あのときの王女が生きて育っていれば、もう人の母となる歳なのかと、それも感慨深く感じた。
「少しだけ抱きしめても良いか、中殿」
 春花が頷いたので、ユンは壊れ物のようにそっと春花を抱き寄せた。春花もまたユンの胸に頭を預け、甘えるように身をすり寄せる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ