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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~

「あっ」
 ユンが胸に巻いた布をするすると解いてゆく。
「ユン―」
 怯えて泣きじゃくる明姫には構わず、ユンは布を解き終えると、うっとりとした表情で呟いた。
「綺麗だ、明姫」
 その視線は明姫の波打つ乳房に注がれている。朱鷺色の可憐な胸の蕾が春の夜気に晒され、つんと立ち上がっていた。
 四月の末とはいえ、夜はまだ冷える。しかも、恐怖に震えている彼女にしてみれば、堪ったものではない。ユンの大きな手のひらがそっと震える乳房を包み込む。
「思ったとおりだ、物凄くやわらかい」

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