身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
明姫が崔尚宮に呼ばれたのは、数日を経たある午後のことだった。崔尚宮は大妃殿の近くの小さな殿舎を住まいとして与えられている。むろん、明姫もその殿舎で起居している。
朋輩女官から崔尚宮に呼ばれていると伝言を受け取り、明姫は急ぎ崔尚宮の居室に向かった。時間には煩い伯母の気性はよく心得ている。
「尚宮さま、明姫です」
廊下の外から控えめに声を掛けると案の定、すぐにいらえがあった。
「入るが良い」
両開きの扉を開け、部屋に入る。上座の崔尚宮に一礼してから座った。
朋輩女官から崔尚宮に呼ばれていると伝言を受け取り、明姫は急ぎ崔尚宮の居室に向かった。時間には煩い伯母の気性はよく心得ている。
「尚宮さま、明姫です」
廊下の外から控えめに声を掛けると案の定、すぐにいらえがあった。
「入るが良い」
両開きの扉を開け、部屋に入る。上座の崔尚宮に一礼してから座った。