身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「これを」
明姫は前に進み出て風呂敷包みを受け取った。
「尚宮さま、これは?」
「開けてみよ」
命じられるままに風呂敷を解いてみる。中から現れた品を見て、明姫は感嘆の溜息をついた。
明姫は普段から女官のお仕着せしか袖を通したことがない。そんな彼女の眼には、葡萄茶色の上衣と薄紅色のチマは随分ときらきらしく見えた。チョゴリは葡萄茶色といっても、地味ではなく、むしろ紅に近い。金糸で小花模様が一面に刺繍されている。
ピンクのチマは目立たないすかし柄が全体に入っていて、更に前面に大胆にも梅の樹が手描きされていた。チマの中で満開の紅梅が今を盛りと咲き誇っている。
明姫は前に進み出て風呂敷包みを受け取った。
「尚宮さま、これは?」
「開けてみよ」
命じられるままに風呂敷を解いてみる。中から現れた品を見て、明姫は感嘆の溜息をついた。
明姫は普段から女官のお仕着せしか袖を通したことがない。そんな彼女の眼には、葡萄茶色の上衣と薄紅色のチマは随分ときらきらしく見えた。チョゴリは葡萄茶色といっても、地味ではなく、むしろ紅に近い。金糸で小花模様が一面に刺繍されている。
ピンクのチマは目立たないすかし柄が全体に入っていて、更に前面に大胆にも梅の樹が手描きされていた。チマの中で満開の紅梅が今を盛りと咲き誇っている。