身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
明姫はキッと相手を睨んだ。
「それで済めば良いけど、もし、バレたらどうするの? 私は下手をすれば、これものよ」
と、片手で自分の首を押さえた。
「まさか、書物の表紙を判るか判らない程度に破いただけで、処刑されると?」
男が眼を丸くする。蒼色の官吏服を着ているところを見ると、中級官吏のようである。朝廷の官吏は皆、位階によって纏う朝服の色が異なっている。大臣クラスは赤、次が蒼となる。
「そりゃ、あなたにとっては所詮、他人事でしょうけど、私にとっては生死に関わる大問題なんだから」
「それで済めば良いけど、もし、バレたらどうするの? 私は下手をすれば、これものよ」
と、片手で自分の首を押さえた。
「まさか、書物の表紙を判るか判らない程度に破いただけで、処刑されると?」
男が眼を丸くする。蒼色の官吏服を着ているところを見ると、中級官吏のようである。朝廷の官吏は皆、位階によって纏う朝服の色が異なっている。大臣クラスは赤、次が蒼となる。
「そりゃ、あなたにとっては所詮、他人事でしょうけど、私にとっては生死に関わる大問題なんだから」