身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い
明姫はきついまなざしを若者にくれ、溜息をついた。
「どうしよう。まさか処刑はないと思うけど、また鞭で叩かれるのは間違いないわね。いや、もしかして、処刑もあり得るのではないかしら」
一人で蒼くなっている明姫を見て、男が小首を傾げた。
「そんなに大切な本なのか?」
明姫は呆れたように鼻を鳴らす。
「あなた、一体、どこに眼をつけているの? さっき、あなたも本の題名を見たでしょう。これは王室の歴史を綴った大切なものなの! 太祖大王から今の国王殿下までの歴史がこの中に余すところなく書かれていて―」
「どうしよう。まさか処刑はないと思うけど、また鞭で叩かれるのは間違いないわね。いや、もしかして、処刑もあり得るのではないかしら」
一人で蒼くなっている明姫を見て、男が小首を傾げた。
「そんなに大切な本なのか?」
明姫は呆れたように鼻を鳴らす。
「あなた、一体、どこに眼をつけているの? さっき、あなたも本の題名を見たでしょう。これは王室の歴史を綴った大切なものなの! 太祖大王から今の国王殿下までの歴史がこの中に余すところなく書かれていて―」