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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「私はあなたがどこの誰でも良いの、あの夜の言葉に変わりはない、ユンが好き。でも、結婚ともなれば、私たちの気持ちだけでは済まなくなってしまう。あなたはあの夜、言ったわよね。皆に認められ祝福されて結婚したい。その想いは私も同じよ。今のままでは、私たち、難しいと思う」
 〝何が〟を略しているが、結婚が難しいと言っているのはユンにも判るはずである。
「あなたの本当の正体は何なの? あなたは、どこの誰?」
 ユンが口を開きかけたまさにその刹那、崔氏の屋敷の門が見えてきた。二人は気まずげに顔を見合わせ、その話はとりあえずそこまでになった。

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