身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
父親の代から崔家の執事をしているという若い執事が祖母を呼んでくる間、明姫は黙り込んでいた。通されたのは来客用の客室ではなく、祖母の私室であった。
どうやら、父と異なり機転のきかない若い執事は、祖母に孫娘の他に客がいるときちんと伝えなかったようである。さもなければ、見栄張りの祖母が私室に客を通すはずがない。
隣に座したユンもまた同様に沈黙を守っている。先刻の話が途中止めになって以来、二人の間にはずっとよそよしい空気が漂っている。祖母は自らの衣服や宝飾品には金をかけるが、屋敷を維持することに対してはたいして関心を抱いていないらしい。
どうやら、父と異なり機転のきかない若い執事は、祖母に孫娘の他に客がいるときちんと伝えなかったようである。さもなければ、見栄張りの祖母が私室に客を通すはずがない。
隣に座したユンもまた同様に沈黙を守っている。先刻の話が途中止めになって以来、二人の間にはずっとよそよしい空気が漂っている。祖母は自らの衣服や宝飾品には金をかけるが、屋敷を維持することに対してはたいして関心を抱いていないらしい。