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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「少しは私の前でしとやかにふるまおうという気はないのか?」
「生憎だけど、全然ない。猫を被っても、いずれバレちゃうもの。本当に結婚する気なら、長い年月を一緒に暮らすわけでしょう」
「まあ、な」
 ユンはしばらく唖然と明姫を見つめ、鶏肉の蒸し焼きを手にした。自分が食べるのかと思いきや、手でむしって小皿に取り分けている。
「ほら、今度はこっちだ」
 箸で摘むと、明姫の口に運んでやった。
「美味しい」
 明姫はユンに食べさせて貰い、ご機嫌だ。
「美女にご馳走とくれば、やはり、これがなくては」
 ユンが出してきたのは、何と酒だった。

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