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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 と、明姫はふと違和感を憶えた。それは違和感というよりは、予感と呼んだ方が良かったかもしれない。そんなことがあり得るはずもないのに、王の優しげな声音に、どこか聞き憶えがあるような気がしたのである。
 何かが閃いた。この深い声は、この声の持ち主は。ハッとして顔を上げた彼女の瞳に映じたのは、その声の主にふさわしい優しげで美麗な面立ちをした青年王だった。
 そんな、馬鹿なことがあるはずがない。明姫は我が眼を疑った。だが、少し離れた前方、天幕の中に設けられた国王の御座所に端座しているのは、紛れもなくユンその人であった。

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