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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 自分が惚けたように王の顔を見つめていたことに気づき、明姫は慌てて顔を伏せた。間違っても、国王殿下と拘わりがあるなどと周囲に知られてはならない。今日ここで犯してしまった失態だけでも十分すぎるほどなのに、この上、国王と恋を語っていたなどと露見すれば、どれだけ窮地に追い込まれるか。
 幾ら明姫でも、今の自分の立場の危うさは十分に理解できた。
 明姫はもう一度地面に額をこすりつけると、そのまますごすごと御前を下がるしかなかった。

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