テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 後宮に上がったばかりの頃、崔尚宮は内緒で明姫を自室に呼んで一緒に眠った。夜半に例のあの夢―紅蓮の焔に飲み込まれる夢を見て泣いて起きた時、伯母はいつも幼い明姫を腕に抱いて髪を撫でてくれた。 
 そう、丁度今のように、抱きしめ、髪を撫でてくれたのだ。
―小姫。怖がらなくて良いのですよ。
 優しく頬ずりしてくれた記憶は今も鮮明に残っている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ