身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
「理由はただ一つ、殿下の御子を生むのはペク氏の娘でなければならないのです」
大妃はひと息に言い切ると、王の顔を真正面から見据えた。
「中殿はまだ若い。これからまだまだ子が生まれる可能性はありますよ」
そのひと言に、大妃は舌打ちした。
「殿下は私が何も知らないとお思いですか?」
「何のことでしょう? 私は別にお叱りを受けるようなことは致しておらぬと存じますが」
「この際ですゆえ、はきと申し上げまする。殿下と中殿が有り体に申せば、褥を共にせぬようになって、何年になりますか?
大妃はひと息に言い切ると、王の顔を真正面から見据えた。
「中殿はまだ若い。これからまだまだ子が生まれる可能性はありますよ」
そのひと言に、大妃は舌打ちした。
「殿下は私が何も知らないとお思いですか?」
「何のことでしょう? 私は別にお叱りを受けるようなことは致しておらぬと存じますが」
「この際ですゆえ、はきと申し上げまする。殿下と中殿が有り体に申せば、褥を共にせぬようになって、何年になりますか?