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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

 国王の寵を受けたのなら、側室として生きる道もあったはずだし、むしろ大抵の女はその人生を選んだだろう。女官長が先々代の国王に愛されたというのは事実だったのだ。
 女官長の丸い顔にゆったりとした笑みがひろがる。
「私の方からお願いして、お別れさせて頂いた。私は心からその方を愛していた。もちろん、その方の私へのお気持ちは本物であったと思うが、生憎とその方には既に何人もの女人がお仕えしていたのでな。私はあまたの女人とその方の愛をゆずり合うのは我慢できなかった。たとい貧しくとも、夫婦は一対であるべきもの、また、そのようにありたいと、私は願っていた。

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