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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

「―これは夢なの?」
 明姫は呟いた。
 神さま、これは夢なのですか? 大好きな彼が今、私の眼の前にいる。
 明姫は思いきり頬をつねってみた。
「い、痛っ」
 ユンがとうとう声を上げて笑い出した。
「相変わらずだな、そなたは。全然変わってない。安心したよ」
「あなただって、ちっとも変わってないわ。相変わらず女タラシなのね。口ばかり上手いんだから」
 思わず頬を膨らませかけ、明姫はハッと我に返った。

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