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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第1章 第一話 【桜草】 桜草の出逢い 

「まあ、親孝行の殿下の御事ゆえ、いずれ近い中には大妃さまのおん願いを叶えて、昭儀さまの許にも通われようが。それまでは、できるだけ今回の件は伏せておいた方が良かろうな」
 明日にでも、書庫に行き、表紙の傷み方がどれほどのものか見てみよう。
 崔直宮は疲れを滲ませた声音で言い、片手を振った。
「下がりなさい」
 はい、と、明姫はうなだれたまま崔尚宮の室を辞した。

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