テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

「お祖母さまの家も、そなたには安息の地とはなり得なかった。副官の奥方の実家は崔氏、崔尚宮の里でもある。そなたは身元がバレることを怖れて隠していたが、崔尚宮はそなたの実の伯母に当たるんだね」
「そこまでご存じだったのですね。では、お祖母さまに対面したときも、すべての事情をお知りになった上でここにお越しになったのですか?」
 当然ながら、ユンは頷いた。
 あの時、明姫は喋り過ぎたと一瞬ヒヤリとした。確か、彼女は二度、口を滑らせて領議政の名を持ち出してしまった。が、彼は最初は特に怪しんでいる様子はなかった。、流石に二度目は剣呑な様子で追及してきたのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ