身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
だが、その後で彼はこうも言った。
―今日、そなたは私に言ったね。私の正体を暴くつもりはないって。ならば、私も同じ科白をそなたに言おう。
それから、ユンがその件について触れることは一切なかったので、すっかり安心しきっていた。しかし、やはり、彼は感づいていたのだ。
彼女がぼんやり考えている間に、ユンは明姫の身体を軽々と持ち上げた。まるで猫の子を扱うように難なくくるりと回すと腕の中に閉じ込める。こんなときは、服を着ていれば優男に見える彼がやはり一人前の男なのだと痛感させられる。
今、明姫は向かい合うような体勢でユンの膝に乗せられていた。
―今日、そなたは私に言ったね。私の正体を暴くつもりはないって。ならば、私も同じ科白をそなたに言おう。
それから、ユンがその件について触れることは一切なかったので、すっかり安心しきっていた。しかし、やはり、彼は感づいていたのだ。
彼女がぼんやり考えている間に、ユンは明姫の身体を軽々と持ち上げた。まるで猫の子を扱うように難なくくるりと回すと腕の中に閉じ込める。こんなときは、服を着ていれば優男に見える彼がやはり一人前の男なのだと痛感させられる。
今、明姫は向かい合うような体勢でユンの膝に乗せられていた。