身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
ただ、それだけではない。そなたの大切なものを奪い尽くした領議政の甥であるという立場が心苦しくて言い出せなかった。そういう理由もあったんだ」
ユンが堪りかねたように言う。
「私が謝ってどうにかなるものではないが、本当に済まないことをした。そなたの両親や弟、そして多くの使用人があの火事で生命を落とした。明姫、いつか、そなたと二人で明姫の両親の墓に参ろう。妻の両親であれば、私にとっても義理の父母になる人たちだ。せめて墓に詣でて詫びたい。私は義父上と義母上に約束するつもりだ。明姫を一生妻として大切にします、もう哀しませるようなことはけしてしないと誓うよ」
済まない。ユンは繰り返し、頭を下げた。
ユンが堪りかねたように言う。
「私が謝ってどうにかなるものではないが、本当に済まないことをした。そなたの両親や弟、そして多くの使用人があの火事で生命を落とした。明姫、いつか、そなたと二人で明姫の両親の墓に参ろう。妻の両親であれば、私にとっても義理の父母になる人たちだ。せめて墓に詣でて詫びたい。私は義父上と義母上に約束するつもりだ。明姫を一生妻として大切にします、もう哀しませるようなことはけしてしないと誓うよ」
済まない。ユンは繰り返し、頭を下げた。