身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
「また、あの夢を見たのか?」
気遣わしげに問う男を明姫は静かな瞳で見つめ返し、頷く。
「申し訳ございません。また、殿下(チヨナー)のお眠りを妨げてしまいましたね」
「何を言う」
傍らの男―ユンは露骨に眉を顰めた。
「私はそなたの良人だ。良人が妻を心配するのは当然ではないか」
李胤(イ・ユン)は明姫の最愛の良人であると同時に、この国を統べる王でもある。
明姫は最初、ユンの素性を知らずにめぐり逢い、恋に落ちた。彼が至高の存在である国王だと知ったのは、知り合った後のことだ。
気遣わしげに問う男を明姫は静かな瞳で見つめ返し、頷く。
「申し訳ございません。また、殿下(チヨナー)のお眠りを妨げてしまいましたね」
「何を言う」
傍らの男―ユンは露骨に眉を顰めた。
「私はそなたの良人だ。良人が妻を心配するのは当然ではないか」
李胤(イ・ユン)は明姫の最愛の良人であると同時に、この国を統べる王でもある。
明姫は最初、ユンの素性を知らずにめぐり逢い、恋に落ちた。彼が至高の存在である国王だと知ったのは、知り合った後のことだ。