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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢

 何日も経ったのであればともかく、たった一晩でここまで枯れてしまうことがあるものだろうか。その時、明姫もヒャンダンも一様に脳裏をよぎったのは同じ想いであった。現実には俄(にわか)に信じがたいことではあるけれど、今、眼の前で哀れにも花びらを散らした花を眼にしていては到底信じないわけにはゆかない。
 それでも、明姫はまだ悪い夢を見ているような心地だった。

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