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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

 人型は紛うことなく呪符であった。王妃を何ものかが呪い殺そうと恨みを込めて、当の王妃の寝所の下に忍ばせたのだ。それらの証拠を眼にした衝撃のあまり、王妃はその場で昏倒し、再び中宮殿が上を下への大騒動になるというおまけまで付いた。
 確たる証が出たところまでは良かったものの、それから先は一向に進まない。三人の側室たちの殿舎からは何も出てこなかった。
 が―。それから時を経ずして、更に事態は急転した。監察部に一人の女官が直訴に及んだのである。すぐにその者の取り調べが行われ、それから約一刻後、監察部の女官数名が明姫の殿舎を訪れた。

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