身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀
「淑媛さまに、中殿さまが糟糠の妻だと仰せになった殿下もまた罪作りな男―、もとい、殿方でいらっしゃいますね。淑媛さまは大体、お人が良すぎますよ。私がもし恋人や良人にそんな無神経なことを言われたら、間違いなくその場で殴り倒しますわ」
などと、そこは気心の知れた主従というよりは友達同士のこと、つい本音が出てしまう。
明姫はいかにもヒャンダンらしい物言いに、つい笑い声を上げた。
「いやだ、ヒャンダンったら」
そこで、扉越しに外から咳払いが聞こえてきて、二人は思わず顔を見合わせた。
「淑媛さま、監察部の楊(ヤン)尚宮にございます」
などと、そこは気心の知れた主従というよりは友達同士のこと、つい本音が出てしまう。
明姫はいかにもヒャンダンらしい物言いに、つい笑い声を上げた。
「いやだ、ヒャンダンったら」
そこで、扉越しに外から咳払いが聞こえてきて、二人は思わず顔を見合わせた。
「淑媛さま、監察部の楊(ヤン)尚宮にございます」