身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀
「お通しして」
明姫が言うと、ヒャンダンが立ち上がり急いで扉を開く。
「お話が弾んでいらっしゃったようにございますが、中殿さまがご不例のこの時、仮にも国王さまのご側室であるお方がそのようにはしゃいでおられるのは、いかがなものでございましょう。見ようによっては不謹慎とも受け取られかねませんぞ」
楊尚宮は三十過ぎの痩せぎすの女だ。凄腕の尚宮として知られるが、その分、情け容赦はないと若い女官たちから怖れられている。
「楊尚宮さま、それは少しお言葉が過ぎましょう」
ヒャンダンが尖った声音で指摘するのに、楊尚宮がキッと眦をつり上げた。
明姫が言うと、ヒャンダンが立ち上がり急いで扉を開く。
「お話が弾んでいらっしゃったようにございますが、中殿さまがご不例のこの時、仮にも国王さまのご側室であるお方がそのようにはしゃいでおられるのは、いかがなものでございましょう。見ようによっては不謹慎とも受け取られかねませんぞ」
楊尚宮は三十過ぎの痩せぎすの女だ。凄腕の尚宮として知られるが、その分、情け容赦はないと若い女官たちから怖れられている。
「楊尚宮さま、それは少しお言葉が過ぎましょう」
ヒャンダンが尖った声音で指摘するのに、楊尚宮がキッと眦をつり上げた。