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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

「淑媛さま!」
 ヒャンダンは耐えられないというように首を振り、うつむいた。
「それでは、淑媛さま。参りましょう」
 再度楊尚宮に言われ、明姫は頷いた。大勢の女官たちの前で、無様な姿は見せたくない。それこそが大妃の思う壺ではないか。
「後のことを頼みましたよ、ヒャンダン」
 明姫はもう一度、ヒャンダンに微笑みかけ、静かに歩き出した。それについて両脇を守るように付き従う監察部の女官たちも歩き始める。

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