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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

 当然といえばいえた。もしユンと出逢うことがなく、国王の側室などという立場にならなければ、平凡な女官には一生縁のない場所だったに違いない。
 それでも、明姫に後悔は一切なかった。ユンとめぐり逢い、彼に愛されて幸せだったと思う。ずっと彼の側にいるという道を選んだことに誇りを持っている。
 勧められ、明姫は椅子に腰を下ろした。続いて楊尚宮も机を挟んで向かい合う形で座る。
 明姫は両手を膝の上に重ね合わせ、真正面から楊尚宮を見つめた。

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