身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀
大妃殿からの推薦ということで、身元の詮索は敢えてしなかったけれど、成女官は元から女官だったわけではなく、宮殿に潜入するために一時的に女官になりすましたにすぎなかったのである。
しかし、彼女は途中で殺された。何故か? それは彼女はもう用済みになったから。すべては思惑どおりに運んだ。後はもう何もせずとも、明姫はでっち上げた中殿暗殺の嫌疑で処罰される。
「成女官の残した遺書を見せて頂けますか?」
一旦出ていった楊尚宮は、ほどなくして戻ってきて一通の書状を差し出した。
明姫は縦長の封筒からそれを取り出し、眼を通してみたが、別段不審な点はなかった。
しかし、彼女は途中で殺された。何故か? それは彼女はもう用済みになったから。すべては思惑どおりに運んだ。後はもう何もせずとも、明姫はでっち上げた中殿暗殺の嫌疑で処罰される。
「成女官の残した遺書を見せて頂けますか?」
一旦出ていった楊尚宮は、ほどなくして戻ってきて一通の書状を差し出した。
明姫は縦長の封筒からそれを取り出し、眼を通してみたが、別段不審な点はなかった。