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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

「―これは周到に仕組まれた罠だ、黄内官」
 黄内官からの返事はなかった。彼の立場では、王の母である大妃を表立って咎人呼ばわりはできないのは当然だ。
「私はこれから大妃殿に行く」
「はっ」
 今度はすぐに返答があった。
「いや、まずは監察部だ。監察部に行って、明姫が無事かどうか確かめねば」
 そのまますぐにでも飛び出しかねないユンの前に、黄内官が立ちはだかった。
「一体どういうことだ? 私の邪魔をするつもりか?」
 ユンが怒鳴ると、黄内官はその場にひざまずいた。

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