身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
ユンは長い物想いを振り切るように頭を軽く振った。摘んだばかりの一輪の花を袖にしまい、内官たちの方に向かってゆっくりと歩き始めた。
その時、広い池の水面を秋の風が通り抜けた。気まぐれな秋風は池の面に波紋を作り、ほとりに咲く桔梗の花を揺らしていく。
その拍子に、雫を戴いた花びらがふるりと震え、雫がまるで涙を零すように地面に落ちた。
ユンの一行が立ち去った後も、池はまだしばらくさざ波立っていた。
その時、広い池の水面を秋の風が通り抜けた。気まぐれな秋風は池の面に波紋を作り、ほとりに咲く桔梗の花を揺らしていく。
その拍子に、雫を戴いた花びらがふるりと震え、雫がまるで涙を零すように地面に落ちた。
ユンの一行が立ち去った後も、池はまだしばらくさざ波立っていた。