
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
天の神さまは自分に過ぎたほどの幸せな時間をくれたのだ。本来なら、出逢うこともない彼と出逢い、恋に落ちた。それだけでも奇蹟のような幸運ではないのか。その代償として神が自分の生命を奪うというのなら、それも仕方のないことだと思う。
明姫は哀しい想いで、美しい国王をしみじみと眺めた。義禁府に拘束されて、もう三日が経っている。もちろん、三度の食事は薄い粥が運ばれてくるけれど、食欲など湧くはずもない。
いつも殆ど手つかずで返していたから、身体はどんどん衰弱していくばかりだ。
明姫は哀しい想いで、美しい国王をしみじみと眺めた。義禁府に拘束されて、もう三日が経っている。もちろん、三度の食事は薄い粥が運ばれてくるけれど、食欲など湧くはずもない。
いつも殆ど手つかずで返していたから、身体はどんどん衰弱していくばかりだ。
