
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
それを見たユンの端正な面がいっそう翳った。
「このような碗を持つことさえ、しんどいのか?」
「―私なら、大丈夫です。殿下」
ユンが綺麗な顔を歪めた。
「そなたはいつも私に大丈夫としか言わない。だが、私はこれでも男だ、少しは甘えたり頼られたりされてみたいと思うのは当然ではないか」
ユンはまた洟を啜り、碗に木匙を入れ、薄い粥を掬った。
「このような粥であれば、たとえまともに食したとて、身体は保たぬであろうに」
「このような碗を持つことさえ、しんどいのか?」
「―私なら、大丈夫です。殿下」
ユンが綺麗な顔を歪めた。
「そなたはいつも私に大丈夫としか言わない。だが、私はこれでも男だ、少しは甘えたり頼られたりされてみたいと思うのは当然ではないか」
ユンはまた洟を啜り、碗に木匙を入れ、薄い粥を掬った。
「このような粥であれば、たとえまともに食したとて、身体は保たぬであろうに」
